2011/11/13

MBA受験② TOEFL vs IELTS

  


MBAに限らず、多くの留学生にとって最初のハードルとなるのが英語の試験だろう。ビジネススクールの場合、TOEFL iBTで100点(120点満点中)というのが基準になる。

たしか、受験を始めた当時のTOEICのスコアは750点くらいだったと思う。それからTOEFLの勉強を1ヶ月ほどして、始めて受けたときのスコアが60点台。TOEFLはiBT(Intenet Based Test)になってから難易度が増したと聞くが、いずれにしてもTOEICとは次元が異なり、ノンネイティブがそう簡単に攻略できるようなものではない。

TOEFLが難しい理由はいくつかあるが、特に日本人が苦手と言われるのがスピーキングのセクション。そもそも課題を理解するためのリスニング、リーディングの能力が必要だし、自分の意見を要約して語る形式のため、むしろプレゼンテーションに近い。いわゆる「英会話」のレベルでは太刀打ちできないわけだ。

TOEFLは3月ごろから勉強を始め、全部で5回くらい受けたが、結局、その年の夏が過ぎても100点の壁を越えることはできなかった。このままだと出願に間に合わない…。そんなときに聞いたのが、IELTSの方が簡単らしいという噂だった。

IELTSというのはTOEFLのイギリス英語版みたいなもので、ビジネススクールへの入学なら、Overall 7.0 がおおよその基準。Reading、Listening、Writing、Speaking の4科目があるのはTOEFLと同じだが、次の点が異なる。


■ Reading
文章の難易度はTOEFLとそれほど変わらないと思うが、IELTSはペーパー試験という点が大きい。これによって、設問を先に読んでから文章を読んだり、キーワードに下線を引いたりという古典的なテクニックが使いやすく、結果としてハードルを下げている。

■ Listening
全体の理解よりも、単語の聞き取りなど、ディティールを問われる点がTOEFLと異なる。その場の集中力で勝負できるので、個人的にはTOEFLよりもやりやすかった。ただ、手書きなのでスペルを一文字でも間違うと不正解になるのが難点。

■ Writing
手書きなのが苦しいが、設問は単純で、TOEFLよりも簡単。Task 2ではTOEFLのテンプレートがそのまま応用できる(=アカデミックライティングの基礎ができてればOK)。

■ Speaking
ここが最大の違い。IELTSは面接官との1対1の会話をすることになる。冷酷に残り時間をカウントダウンするだけのTOEFLのコンピューターを相手にするよりも、はるかに楽なのは言うまでもない。


もちろん簡単、と言ってもあくまでも TOEFLと比べての話なので、誰もが楽勝できるような試験ではない。自分も結局、Overall 7.0 をクリアできたのは数回受験した後の11月だった。

ただ、欧州のスクールを目指す人であれば、取り組みやすさの面から、IELTSの方がおすすめできる。例えば Oxford や Cambridge のMBA では現在は入学基準が TOEFL 109~110点、IELTS 7.5 になっているが、帰国子女でもない限りTOEFLでこのスコアを出すのは相当難しいはずで、IELTSに集中した方がハードルが下がると思う。


追記
英語の試験としてどっちが実用的かというと、やはりTOEFLだろう。IELTSがややディティールに寄っているのに対し、TOEFLでは課題の中から要点を抜き出し、整理してアウトプットするという論理的思考力が求められるので。ちなみに、TOEICはごく一部のスクールを除いて、MBA受験では相手にされません。